うつむいても全然みっしー

好きな言葉は 守破離、苦手な言葉は ドンマイ

ビジネス書コーナーで感じる胸騒ぎの正体がわかった

 本屋のビジネス書コーナーに立った時の、妙に胸騒ぎがして落ち着かない気持ちをずっと説明できないでいたのが、やっと理由がわかった。

 

 気持ちよく胸を高鳴らせてくれるタイトルの文言を見るたびに、そそられつつ、一方で不安だった。そそられるような、不安なような。この不安の正体について、久しぶりに再読した山田ズーニーさんの「おとなの進路教室。」にヒントがあった。

 Lesson 27「立脚点」の中で、仕入れた情報に立脚点しているのか、それとも実体験に立脚点しているのか、その違いは発する言葉の生々しさ、切実さの有無となって表れるというもの。「立脚点が情報なのか体験なのか」。この観点でビジネス書コーナーでの胸騒ぎの説明がついた。「もっと経験しにいかなきゃ」と焦っていたのだ。

 例えば著名人の名言集。きっとその名言のひとつひとつの背景には彼らが経験した苦労や喜び、葛藤や決断があるだろう。そうした実体験から生まれた名言は言わばデザートのようなもので、自分の汗も流さずデザートばっかり食ってちゃいかんよな、と焦ったり、罪悪感を抱いていたのだ。

 なにせあの胸騒ぎは居心地が良いものではなかったから、理由がわかって安心した。